1998年度(第5回)HODIC鈴木・岡田賞
技術部門: 白倉明,木原信宏(ソニー株式会社フロンティアサイエンス研究所)
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対象論文:即時ホログラフィック3Dプリント技術」(HODIC CIRCULAR, VOL.18,
NO.3, PP. 8-14)
選定理由:ホログラムの普及には、迅速かつ見えの良い量産技術が不可欠であろう。白倉・木原両氏の研究はこの要請に応えるものであり、新たな展開が期待されると評価する。
芸術部門: 岸本康(凸版印刷株式会社総合研究所)
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対象作品「STONE WORK」および「WHITE LIGHT」シリーズ
推薦理由:長年にわたる終始一貫した制作姿勢と,常に新しい制作手法を模索し独自のスタイルを追及し続ける試みは高く評価される.
'98年度HODIC鈴木・岡田賞 選考経過報告
平成11年5月8日
'98年度HODIC鈴木・岡田賞
選考委員会 委員長 三田村 しゅん右
技術部門に4件(FAX 送信2件を含む)、芸術部門に2件、計6件の推薦が挙げられた。
技術部門の4件について、論文コピー等を参考に審査した。いずれも高度な研究成果と認められた。中でも特に白倉、木原両氏のプリント技術は即時的で極めて高い画質であり、ディスプレイ応用として高く評価されるとし、受賞対象とした。
芸術部門にはアート制作、デザイン活動各1件の推薦があり、デザイン・サンプル及びホームページを参考に審査した。本年度は特にデザイン作品・活動に対する期待が高いことを考慮し慎重に討議したが、結果、岸本氏の長年にわたる制作活動を評価するとの意見が大勢を占め、その終始一貫した制作姿勢が評価され、受賞対象とした。
受賞者のプロフィール
技術部門:
白倉 明
昭和37年9月24日生まれ 36歳
経歴
昭和61年3月 東京大学工学部機械工学科 卒業
昭和61年4月 ソニー(株)入社
昭和63年8月〜平成元年8月 マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員
現在 ソニー(株) フロンティアサイエンス研究所 勤務
趣味:ホログラフィ、音楽演奏
抱負 ホログラフィ技術を応用して、感性に響く新しいビジュアルインターフェースを創る、という課題に引き続き挑戦していきたいと思います。その第一歩として、まず、デジタル技術を使って自分のホログラムを簡単に作ることができる世界を提供することで、新しいアプリケーションの開拓をしようと思っております。そういった意味では、まだ自分の夢の1%も実現できていないのに、このような光栄な賞をいただいて恐縮しております。
過去に学ぶと、HODIC会員をはじめとして、すばらしい研究・芸術・教育活動をされている方々の情熱に触れることができるのは、この業界の良き特徴といえるものだと実感しています。このように人を魅了する可能性を秘めたホログラムを、新たなスパイスを加えることでさらに一般に普及させ、ホログラフィ業界全体の活性化に少しでも寄与していきたいと思っております。引き続きご指導ご鞭撻をよろしくお願い致します。
研究業績
- Stephen Benton, Sabrina Birner, Akira Shirakura: "Edge-Lit
Rainbow Holograms", SPIE Proceedings Vol. 1212: Practical Holography IV,
Jan. 1990.
- Akira Shirakura, Nobuhiro Kihara, Shigeyuki Baba: "Instant
Holographic Portrait Printing System", SPIE Proceedings Vol. 3293: Practical
Holography XII, Jan. 1998.
- Nobuhiro Kihara, Akira Shirakura, Shigeyuki
Baba: "One-step edge-lit transmission holographic stereogram printer",
SPIE Proceedings Vol. 3637: Practical Holography XIII, Jan. 1999.
- 木原、白倉、馬場「高速ホログラムポートレイトプリントシステム」、3次元画像コンファレンス1998
- 白倉、木原、馬場「即時ホログラフィック3Dプリント技術」ホログラフィック・ディスプレイ研究会会報Vol.18
No.3 (1998)
受賞
3次元画像コンファレンス '98年度優秀論文賞受賞 木原、白倉、馬場
「高速ホログラムポートレイトプリントシステム」
木原 信宏
昭和40年1月26日生まれ 34歳
経歴
平成1年3月 東京大学理学部物理学科 卒業
平成1年4月 ソニー(株)入社
平成5年9月〜平成6年9月 マサチューセッツ工科大学メディアラボラトリー
リサーチアフィリエート
現在 ソニー(株) フロンティアサイエンス研究所 勤務
抱負
いままで、なかなか一般の人は自分のホログラムを作ることが出来ませんでしたが、我々の開発したホログラムプリンターが世の中でのホログラムというものの認知度をあげ、ひいてはこのホログラム業界の発展に寄与することができれば大変光栄に思います。
研究業績
- Klug, Michael A. and Kihara, Nobuhiro: "Reseau"full-color one-step
holographic stereograms", Proc. SPIE Vol. 2333, p. 411-417, Fifth International
Symposium on Display Holography, Tung H. Jeong; Ed
- Akira Shirakura, Nobuhiro Kihara, Shigeyuki Baba: "Instant Holographic Portrait Printing
System", SPIE Proceedings Vol. 3293: Practical Holography XII, Jan. 1998.
- Nobuhiro Kihara, Akira Shirakura, Shigeyuki Baba: "One-step edge-lit
transmission holographic stereogram printer", SPIE Proceedings Vol. 3637:
Practical Holography XIII, Jan. 1999.
- 木原、白倉、馬場「高速ホログラムポートレイトプリントシステム」、3次元画像コンファレンス1998
- 白倉、木原、馬場「即時ホログラフィック3Dプリント技術」ホログラフィック・ディスプレイ研究会会報Vol.18
No.3 (1998)
受賞
3次元画像コンファレンス '98年度優秀論文賞受賞 木原、白倉、馬場
「高速ホログラムポートレイトプリントシステム」
芸術部門:
岸本 康
経歴
1959/ 神奈川出身
1978/ 多摩芸術学園・勝間研究室にてホログラフィを始める
1981/多摩芸術学園写真学科卒業
1981〜83/東京大学生産技術研究所・小瀬研究室、研究生
1984〜87/多摩芸術学園、非常勤講師
1987〜90/ザ・レーザー(株)にてホログラフィー展に関する活動に従事
1990〜現在/凸版印刷(株)総合研究所にてホログラフィーの研究に従事
抱負
多くの人にホログラムの魅力を知ってもらいたいと作品を作りつづけてきました。これからも、はじめてホログラムと出会ったときの感激を忘れずに、ホログラム作品を作り続けて行きたいと思います。
また、ホログラファーのネットワークをつくり展覧会等の情報交換、情報発信を進めて行きたいと考えています。
ホログラフィアート情報ホームページ
http://www.t3.rim.or.jp/~kis/
出展
1979/不思議なホログラフィ展(船橋西武) レーザー技術展(科学技術館)
1980/PARCOホログラフィー展(大阪パルコ)
1981/ 多摩芸術学園卒業展(東京フォトギャラリー)
1982/ 石川洵、岸本康ホログラフィ2人展 アールジュニの世界展
1983/ ハイテクノロジーアート公募展奨励賞
1984/ Licht-Blick(フランクフルト・西ドイツ) ホログラフィック・ガーデン84(スタジオ200)にて作品展示
1985/ ハイテクノロジーアート公募展 佳作 光のふしぎ〜ホログラフィ展(横浜こども科学館)
1986/ ホログラフィ4人展(銀座月光荘)
1987/ ハイテクノロジーアート展
招待出展(つかしんホール・尼崎) Images in Time & Space(モントリオール・カナダ)
ホログラフィ展(新宿NSビル) 動くホログラフィ展(三菱電気銀座スカイリング)
1988/ エンジョイアブルホログラム(新宿住友ビル) 日本尖端科技芸術展(台中・台湾)
1989/ 時と空間のイメージ(名古屋市科学館)
1990/ ホログラムアニュアル90イン銀座(銀座ギャラリー中沢)
時と空間のイメージ(船橋西武美術館)
1991/ ホログラムアニュアル91イン銀座(銀座ギャラリー中沢)
1992/ 世界のホログラフィー展(茨城県つくば美術館) 多摩芸術学園ホログラフィ作品展(NEC秋葉原BSVAシアター)
ホログラムアニュアル92イン銀座(銀座ギャラリー中沢) 東京工業大学・千葉大学のコレクション展(東京工芸大学・写大ギャラリー)
1993/ ホログラムアニュアル93イン銀座(銀座ギャラリー中沢) 以降 1994〜1999
ホログラムアニュアル毎年出展
Last Modified: 99/05/29