HODIC鈴木・岡田賞選考委員会報告
選考委員長 鎌田康昌
2005年12月14日並びに2006年3月16日に選考委員会を開催し、慎重に議論した結果、技術賞1件が選考されました。
技術部門 技術賞
橋本信幸
シチズン時計(株)MHT開発本部 技術研究所
対象論文"Liquid crystal active optics; application to electro-holography and
adaptive optics", Proc. of HODIC in Taiwan(2005)
授賞理由
液晶を用いた補償光学用アクティブ型キノフォームの開発。
液晶ディスプレーの開発経験を活かし、液晶を用いた波面制御やその応用である補償光学等の光情報処理の研究を行った。91年にはSPIEで液晶を用いた動画ホログラフィの発表を世界に先駆けて行い、液晶の波面制御素子としての高い可能性を示した。その成果を元により単純化した応用ではあるが液晶を用いたアクティブ型キノフォームの開発を行い、光ピックアップ用の補償光学素子として量産実用化した。このように液晶による動画ホログラフィの基礎研究からアクティブ型キノフォームの量産化まで発展させたことは技術賞受賞にふさわしいと考えられる。
受賞者プロフィール
橋本信幸
シチズン時計(株)MHT開発本部 技術研究所
抱負
鈴木・岡田賞を受賞させていただいたことは特に感慨深いものがあります。鈴木様には学部生時代からお世話になり、岡田先生にはHODIC入会の機会を頂き、お二方共に人生に影響を与えて下さった決して忘れ得ぬ方々です。またしても勇気づけられ感謝の念で一杯です。これを契機に研究開発の成果が社会に役立つよう頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
略歴
1983年3月 早稲田大学理工学部応用物理学科修士課程修了
1983年4月 シチズン時計(株)技術研究所入社。
液晶表示、レーザープリンタ、光ディスク、液晶
プロジェクタ等の研究開発に携わる。
1991年 液晶による動画ホログラフィをSPIEにて発表
2000年 博士(工学)学位取得。液晶光学素子の量産化
2005年〜 液晶アクティブ光学素子とその応用研究に従事
主な業績
(学術誌)
(著書)
high-resolution LCTV-SLM" Proc. of SPIE 1461(1991) pp. 291-302
N. Hashimoto, "Optical Applications of Liquid Crystals" L. Vicari
ed., Chapter 2, pp62-117
Institute of Physics publishing (2003)
(受賞)優秀論文賞 三次元映像のフォーラム(1996)