2015年度(第6回)HODIC鈴木・岡田記念賞


HODIC鈴木・岡田記念賞 選考委員会報告

選考委員長 坂本雄児(北海道大学)

 2015年度HODIC鈴木・岡田記念賞選考委員会は,2016年4月12日に開催した委員会にて慎重に審議を行い,以下の4名の方を選考しました.後日幹事会において承認され,授賞が決定しましたのでここにご報告致します.



左より,熊谷幸汰氏,角江崇氏,佐藤龍司氏,堀米秀嘉氏,坂本雄児選考委員長,橋本信幸HODIC会長

●技術部門賞:堀米秀嘉氏(HolyMine Corp.)

選考理由: 同氏が対象論文で述べているコリニアータイプの波面プリンタは,同軸で体積型のホログラフィックステレオグラムがプリントできるため安定性に優れており,今後の発展が期待できる. また,同氏はこれまでに,オプトウェア社(新オプトウェア社)を設立し,容量1TBのHVD(Holographic Versatile Disc)の開発と標準化, また,最近では,太陽光発電用のホログラフィック採光システム,HOEを用いた360°テーブル型立体映像装置の開発など,ホログラフィを用いた技術開発に貢献が認められる. さらに,デモ展示などを通してHODICへの貢献も行っていることから,高く評価できる.

対象論文: H. Horimai, “Holographic 3D-image printer system with collinear optics”, International Workshop on Holography and Related Technologies 2015 (IWH2015), Tu2-4 (2015).

●技術部門奨励賞(1):角江崇氏(千葉大学)

選考理由: 3次元画像コンファレンス,IDWなどHODIC関連の研究会に多くの発表をしているほか,電子ホログラフィと凹面鏡を用いた空中立体映像装置の開発や日刊工業新聞での報道など, ホログラフィ関連の研究に貢献してきた.ホログラフィの研究を発展させる若手研究者であると認められ,高く評価できる.

対象論文:角江崇,他,“高速度位相イメージングに基づくスピーカから発せられる音波が有する周波数分布の推定,”3次元画像コンファレンス2015講演論文集,4-3

●技術部門奨励賞(2):熊谷幸汰氏(宇都宮大学)

選考理由: 基本的に両眼視差による立体ディスプレイではなく,多層蛍光スクリーンまたはフェムト秒誘起プラズマを用いた空間に3次元的な画素を描画する, より自然な空中像ディスプレイにおいて,CGHによる多点化を行い,解像度の向上を図った. また,プラズマを用いた空中像ディスプレイにおいては再生デモ,タッチによるインターラクションなど興味深いシステムを実現し,その可能性を示した. 各種メディアにも取り上げられており,高く評価できる.

対象論文:熊谷幸汰,落合陽一,星貴之,長谷川智士,早崎芳夫,“ホログラフィック並列光アクセス型ボリュームディスプレイ,” HODIC Circular Vol. 36, No.1

●貢献賞:佐藤龍司氏(北海道能開大)

選考理由: これまで長年にわたり,ホログラフィ分野で広く活躍し,発展に寄与されてきた.特に,カラーホログラムやマリチプレックスホログラムなどの製作技術の研究,開発及び, 教育現場での後進の育成,さらに,研究成果のHODICでの発表,大学ホログラフィー展において,長年にわたる実行委員長や委員の歴任など,HODIC及びホログラフィ分野への顕著な貢献があり,高く評価できる.

受賞者のプロフィール等 会報36巻2号より抜粋
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